手術の影響

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(事例)

40代男性 水道工事

腰椎すべり症の痛みで3年、寝られないという状況で来院されました。

16年前に腰椎5番がすべった状態という事で、すべり症の手術を受け、ボルト固定をされたそうです。

そして今回、ボルト固定の上の骨がすべったという事で、再び手術と言われ、手術をしたくないという事で、全国5ヶ所くらい有名な治療院などに行かれたそうです。

しかし最後は、すべり症でボルト固定している事をうまくいかない理由にされてしまっていたようです。

すべり症は、前かがみになる動作を繰り返す事で骨盤が前傾になってしまう事で起こります。

骨盤が前傾した状態で、上半身を起こした姿勢(立った姿勢)をとると腰椎に負荷がかかります。

腰椎の部分に支点がいく形ですべります。

この方は腰椎5番がすべり、手術で5番にくさびを打ち、4番と仙骨に支えてもらう形でボルト固定しています。

さらに3番がすべり、再度手術と言われました。

残念ですが、ボルト固定するとそこは動かせなくなります。

背骨は前にかがんだり、反らしたりできるように柔軟性があります。

ボルトで固定すれば、固定した場所は動かなくなり、その上に負担がかかるようになり、仮にお医者さんに言われたように手術した場合、ボルト固定の範囲が広がり、背骨の自由が奪われます。

結果として、ロボットのような動きしかできないような状態になってしまう恐れがあります。

この男性は、3年寝られないというのは、痛みで3秒とて同じ姿勢でいられず、施術ベッドの上でもんどり打って転げ回って痛がっていました。

何とか施術できる方法はと思案した結果、背もたれのあるイスに馬乗りに座っていただき、背もたれの所にクッションを挟む方法を思いつきます。

その状態はじっとしている事ができました。寝る時も当面、この体勢をおすすめし、背中や背骨周り、潜り込んで足やお腹など施術を繰り返して施術ベットでの施術に移行できるようになりました。

こちらが考えうる限りの事をしたのと、ご本人が諦めなかったため、回数にして2526回くらいかかりましたが、何とか日常生活を送れるようになりました。

ボルト固定はしているものの、固定の中で骨が回旋できる状態になれたのが良かったと思います。